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なっぱちゃんと一緒

なっぱちゃんと一緒

なっぱちゃんの病気について

なっぱちゃんは先天性サイトメガロウィルス感染症という病気である。
これは、妊娠中に胎児がサイトメガロウィルス(CMV)に感染したことを意味する。
CMVは通常でも存在するウィルスで、そんなに怖いものではない、普通は。
そして、日本人の大半(90%という説と最近は75%という説もある)は、幼い時に感染しているため、CMVに対する抗体を持っている。
しかし、妊娠中の初感染や、極端に免疫状態が低下しているとき(エイズとか臓器移植したときとか)の感染は、とても危険なことがある。

私は、おそらく・・・妊娠中に初感染した・・・

先天性CMV感染症による影響は、感染した時期とその感染量により、異なってくる。
生後、まったく影響がみられない場合から(でもこの場合、検査しないだろうから感染したことがわかるのだろうか?)、難聴、視覚障害、小頭症、精神発達遅滞、運動発達遅滞・・・などなど・・・・

なっぱちゃんは小頭症と診断されている。
その名の通り、頭が小さいのだ。
なぜ、頭が小さいか・・・?
それは、頭の中の脳が小さいから、発達していないから、なのである。

脳室拡大がある。脳室とは頭の中のすき間のことをいう。普通頭蓋骨内に脳はみっしり詰まっていて隙間なんてない。
水頭症だと、髄液の循環がうまくいかずに液が溜まって脳室が拡大するが、なっぱちゃんの場合は、脳の部分が小さすぎて、頭の中のスペースがあまっているという感じで、脳室拡大という言葉のイメージとは少し違う。
滑脳症。字の通り、脳が滑らかなのだ。しわがみられない。通常脳は、トリビアの泉のようにうにうにとしわが出来ているものなのだ。でもなっぱちゃんの脳にはしわがほとんどなかった。
石灰化。脳の一部が文字通り、石灰化している。石灰化した部分は、もちろん脳本来の働きはできない。なぜなら石灰だから・・・そして石灰化は停止しているわけではない。脳の中でも延髄等生きていくための重要な部分に石灰化が進行する可能性だってあるのだ。

他にも脳に関しては色々、沢山ある。
医者もすべては説明しきれず、
「なっぱちゃんの脳は、正常な部分はどこもない状態です。そしてどんな医学書をみてもなっぱちゃんほど、ひどい状態のCMV感染症はありません。」
と言った。
「早く亡くなる赤ちゃんが多いんです。」
とも言った。

幸いなことに、脳への影響以外に今のところ合併症はみられない。
そして、なっぱちゃんは一歳になった。


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